DASBOX

公開日: 2019-03-11 21:29:00

DASBOXというAD/DAコンバータ製品に出会ったのは1985年頃だったと思います。システムデザインサービスという会社の製品でした。現在はこちらの会社で新しいモデルを出されているようです。ちなみに写真は私が関わっていた頃とは異なる機種です。

DASBOXの用途は広く、アナログ波形データがあるところにニーズありということで、本格的な解析が必要であればこの製品が候補になるという感じでした。今でも記憶にある顧客としては、DASBOXのオリジナル機器の開発の元になった鹿島建設、私が初めて開発提供した日立製作所、NTT横須賀通研、ヤマハ(楽器)、神戸外語大学、東京航空計器、マツダなどがありました。直接関わった企業以外にも多くの会社に採用されていたようです。

DASBOXはホストコンピュータによる制御およびデータ収集が必要で、PC-9801シリーズにも接続できました。私が在籍していたDECのマシンにも接続できましたが、日頃はPC-9801で使用して海外での論文発表のためにDECのマシンでやりましたという大学などの顧客もいました。海外の研究者にPC-9801と言っても何だかわかりません。DECのマシンVAXやPDPに接続するのには16bitパラレルインタフェース(DMA転送)を使用しました。UNIBUSではDR-11W、QBUSではDRV11-WAを使用しました。BIバスの場合にはUNIBUSアダプタ経由で接続していました。パラレルインタフェース・ケーブル2本を使用するのですが、信号線シールドされておらずそのままで床をはわせて使うとたまに断線することがありました。

DASBOXをVAXやPDP上のアプリケーションから使用するのに必要なソフトウェアはデバイスドライバとI/Oを行うライブラリでした。私はこのライブラリを作っていました。

パッケージ販売をしていましたが、当時私の仕事スタイルは自分で何でもする「佐々木商店」と言われていました。プリセールス、キットのメディア作成、インストレーション・サービス、導入コンサルティングまでやっていました。

DASBOXは私が関わり始めた頃は制御用のマイコンを搭載していませんでしたが、1〜2年でマイコンを搭載したものがリリースされましたがそれまでのもののような性能が出ませんでした。その後、マイコンでの処理を減らしI/Oを扱う周辺回路を改善して制御機能と性能を併せ持ったバージョンが出ました。その開発の際にはシステムデザインでのハード開発と一緒にソフトウェアを開発することができました。一緒にデバッグをしていて、ハードが完璧にわかる人は幸せだなと思いました。同時期にスペシャルバージョンのデータレコーダのソフトウェアをシステムデザインのエンジニアがハードウェアを開発するというプロジェクトもありました。そういうこともあって、システムデザインサービスのエンジニアの面々と仲が良く、今思えば本当に楽しい仕事をさせてもらったと思っています。エンジニア、社員を大事にする会社でした。